すべてのお母さんを、一人にしない
代表理事の山口が実際に子育てをする中で感じていた孤立感、働きながら子育てを続けることの大変さに対して、
「安心して子供を産み育てられる保育園を作りたい」
「すべてのお母さんを一人にしない」という想いから立ち上げたのが当NPOです。
立ち上げ翌年に東日本大震災が発生したこともあり、保育園に加えて一時預かりのための保育施設も始動させ、
避難してきた子供たちを24時間日曜祝日稼働体制で受け入れて参りました。また、福島県内の放射線量が高く、
屋外でのびのびと遊ぶことが難しい環境であったこともあり、2013年に木のおもちゃに囲まれた「赤ちゃん木育広場 もくれん」を作り出したりと、
一般的な子育て世帯支援に加えて復興支援もテーマに活動を展開してまいりました。
そんななか、2016年、震災遺児孤児の支援をされている団体さまと連携し、
「木育広場まで遊びに来れない子供たちのために」という思いから、おもちゃを持って私たちが施設へ訪問する
「木育キャラバン事業」を開始。このキャラバン事業はその後一般の子育て世帯向けイベントとしても拡大させ、
年間を通じて県内外の各地へ伺っています。毎年恒例のイベント「もくれん学校」は来場者数1万人を超える、
東北でも最大級の規模を誇る子育て世帯向け木育イベントにまで成長致しました。
2019年には会津若松市と連携して、都市の公園を活用した1か月ロングランのイベントを開催し、
地域の子育て世帯の声を掘り下げました。1か月という長期にわたりほぼ毎日開催することは負担も大きかったですが、
「LOTUS=保育園とおもちゃ広場の団体」というこれまでの周囲の認識が大きく変わり、
「子育て支援と、広い意味でのまちづくりの団体」として
地域住民の方や行政職員の方に徐々に認識頂けるようになって参りました。
このように復興支援と子育て支援に始まった私たちの活動ですが、各事業を通して、
「子育て世帯と3つの視点で向き合う」という、当NPO独自の事業形態が生まれました。
保育園では個人としてのお母さん、お子さんの姿と向き合います。
木育広場では、母と子の遊びを通して親子関係と向き合います。ときに3世代で遊びにいらっしゃる姿を見て、
子育て世帯の家族環境も知ることができます。
そして木育キャラバン事業では、訪問先の企業様や地域といった、子育て世帯が所属するコミュニティの姿を知ることができます。
私たちは、このように複合的な観点を持ち続けることが子育て支援においてとても重要と考えています。
母子、家族、コミュニティといったどれかひとつの視点ではなく、各視点を織り交ぜた、継続した支援に今後とも励んで参ります。